手取り15万 総支給額はいくらになるのか?計算してみた

手取り15万円って実際にはどれくらいの金額になっているのか気になったことはないでしょうか。いわゆるグロス、額面とも言われていますが、手取りの計算は簡単な目安があったりします。手取りとはどのようなことをいうのか、とか、自分で詳しい計算をする方法を考えていきたいと思います。

◆手取り15万円でも。手取りと額面の違いを考える

普段から額面や手取りという言葉を使ってしまいますが、この額面や手取りという言葉の意味をしっかりと理解しているでしょうか?

額面とは会社など支給されるところから自分自身に対して支払われる金額の”合計”をいいます。通常は基本給や通勤手当、時間外手当など各種の手当てで構成されており、一般的な給与明細の中では、総支給金額と書かれている部分に当てはまります。

一方の手取りとは、自分が実際に受け取る金額のことで、会社で働いている人は通常、額面のまま金額を受けるとことはできないようになっています。それは所得税や住民税、社会保険料などを差し引いて支払われることになっていることがほとんどであるからです。額面から天引きされることを控除と呼んでおり、

額面=総支給金額

から控除の金額を差し引いた金額が手取り、というわけですね。一般的な給与明細には差し引き支給額と記載されている部分になります。

一度、ご自身の給与明細を見て確認してみるといいでしょう。実は給与明細を手取りしか見ない人は結構いますよ。

◆手取りを計算する方法

さて、会社から支給される金額と控除の金額の内訳について見ていきたいと思います。支給される金額は「基本給+各種手当て」、控除される金額は「社会保険料+所得税+住民税」というのがだいたい多いです。手当なども様々ありますので、一般的なものをご紹介したいと思います。

・会社から支給されるお金

基本給:給与の基本となるお金で、各種手当てやインセンティブ、歩合のお金などは含みません。

時間外手当:会社が決めた所定の労働時間を超えて勤務した場合、または法定労働時間である1日/8時間、週/40時間を超えて働いた場合に加算される手当です。法定労働時間を超えて働いた場合は通常の賃金の25%以上割り増しした賃金が支払われることになります。

資格手当:会社が定めた資格を保有している人に対して支給される手当で、資格の種類に合わせて一定額が支給されるのが一般的と言われています。

役職手当:管理職などの役職者に対して支払われる手当で、役職に合せて一定額が支払われるのが一般的です。

家族手当:扶養家族がいる社員に対して、生活費などの補助を目的に一定額支給される手当です。

住宅手当:家賃補助や住宅ローンなど、住宅費を補助するために支払われる手当です。

通勤手当:通勤にかかる費用を補助するために支給される手当です。いわゆる交通費ですね。

・控除されるお金

健康保険料や所得税や住民税など額面から引かれる金額のことを指します。

健康保険料:健康保険に加入するためのお金で、健康保険に加入していると、医療サービスを原則3割の自己負担で受けることができたり、医療費が高額になったときなど軽減措置を受けることができます。ケガや病気で働けなくなったときに手当金を受け取れたりもします。保険料は、収入と保険者の加入している保険組合などによって異なり、算出された保険料は会社と自分が折半して負担しています。

介護保険:介護保険制度の財源として利用されているお金は、40才以上、64才以下の人で、健康保険料と合せて支払うことになっています。保険料は、収入と保険者の加入している保険組合などによって異なり、算出された保険料は会社と自分が折半して負担しています。

厚生年金保険:厚生年金に加入するためのお金で、公的年金制度には国民年金保険と厚生年金保険の2種類があり、会社員の場合は厚生年金保険に加入するのが一般的です。一定期間、保険料を納めることで、原則として65才になったときに「老齢年金」を受け取ることができるようになります。保険料は、収入と保険者の加入している保険組合などによって異なり、算出された保険料は会社と自分が折半して負担しています。

雇用保険:雇用保険に加入するためのお金で、一定期間、雇用保険に加入していると、失業時に手当を受け取れるようになります。保険料は収入とつとめている会社の事業内容によって異なります。

所得税:所得のある人が納める税金で、毎月の給与から概算支払いをしていますが、年末調整あるいは、確定申告で払いすぎた金額は精算、還付(返って)されます。所得が多いほど金額は大きくなります。

住民税:1月1日時点で済んでいる都道府県、市区町村に支払う税金で、年間の課税所得に応じて金額が決定します。

◆手取りが少なくても知っておきたい残業代の知識

労働者が時間外労働、いわゆる残業をした場合には会社側は労働者に対して残業代を支払う義務があります。残業代を支払うことは法律で定められている法定事項なのです。規定の残業代を支払わない場合、事業者に対して罰則が適用されたり労働者から未払い残業代の支払いを求められたりするので注意が必要です。

・残業代はどのような仕組みなのか?

労働時間には大きくわけて、法定労働時間と所定労働時間の2種類があります。法定労働時間とは、労働基準法によって規定された労働時間のことを指し、1日8時間、週40時間以内が法定労働時間となります。

一方の所定労働時間とは事業者毎に定められた始業時間から就業時間までの時間の事を指し、所定労働時間は法定労働時間の8時間以内であれば、会社毎に自由に決定することができます。所定労働時間に休憩時間は含みません。

2種類の労働時間のうち、残業代が支払われるのは、所定労働時間を超えたとき、となります。具体的には所定労働時間が7時間で、労働者が8時間働いた場合、1時間分の残業代が発生します。つまりは、所定労働時間が法定労働時間の8時間以内でも所定労働時間を超えた部分に関しては残業代を支払わないとダメなのです。さらに、法定労働時間の8時間を超えた場合には、割り増し賃金を支払う必要があります。

・残業代の割り増しする率はどれくらいなのか?

一定の残業には割り増し率と呼ばれる利率を掛けた金額を労働者に支払う必要があります。割り増し率とは、労働者が残業をした際に、割増分の賃金を求めるために使用する割合のことで、残業代の割り増し率は、労働基準法によって細かく規定されています。事業者は法定労働時間以上、1日8時間、週40時間の労働をした労働者に対して、一律に支払う義務があります。

原則、法定労働時間の割り増し率は通常賃金の1.25倍と決められています。法定労働時間内の賃金は通常換算の基礎時給で計算し、法定労働時間の労働時間に割り増し率を掛けた金額を賃金に加算するかたちとなります。

割り増し率は月の総残業時間や深夜帯、休日出勤によっても細かく異なってきます。商業・映画・演劇・保健衛生業ならびに接客娯楽業で、常時使用する労働者が10人未満の事業者においては特例が認められています。この特例措置については、週の法定労働時間を44時間としており、週44時間を超えない場合であれば残業代の割り増しは必要ありません。

・残業代の計算式

基本的な残業代は「残業時間x1時間あたりの基礎賃金x割り増し率」という計算式で求めることができます。1時間あたりの基礎賃金とは所定労働時間を時給で換算したときの賃金のことを指します。

計算式は「月給÷(1日の所定労働時間x1ヶ月の勤務日数)」です。

具体例としては、

月給25万円÷所定労働時間8時間x1ヶ月勤務日数20日=1時間あたりの基礎賃金≑1562円

となります。

1時間あたりの基礎賃金に残業時間と割り増し率を掛けた金額が残業代というわけですね。深夜残業なしで1ヶ月の法定外残業が30時間、1時間あたりの賃金が1704円だった場合は、

「30時間x1704円x1.25≑6万3900円」が残業代になります。

深夜残業や休日残業、月の法定外残業が60時間を超える場合は、割り増し率が1.25倍から1.5倍や1.6倍となる計算となります。

残業代に関するトラブルは年々多くなっています。長期化すればするほど支払わなければならない残業代も高額になってくるため、残業代の計算はしっかりと理解して、従業員に残業代を支払うようにしましょう。

◆手取りを簡単に計算してみる

月給や年収の額面から手取りを簡単に計算する方法があります。一般的には手取りは総支給額の75から85%と言われており、大まかな金額を知りたいだけであれば、額面に0.75から0.85を掛けてみればいいでしょう。金額に幅があるのは、控除される金額が、額面の金額や扶養家族があるのか、ないのかなどで少し異なってくるからです。

・月給の額面から手取りを計算する

18万円:13万5000円から15万3000円
20万円:15万円から17万円
22万円:16万5000円から18万7000円
24万円:18万円から20万4000円
26万円:19万5000円から22万1000円
28万円:21万円から23万8000円
30万円:22万5000円から25万5000円
35万円:26万2500円から29万7500円
40万円:30万円から34万円
45万円:33万7500円から38万2500円
50万円:37万5000円から42万5000円

・年収の額面から手取りを計算する

250万円:187万5000円から212万5000円
300万円:225万円から255万円
350万円:262万5000円から297万5000円
400万円:300万円から340万円
450万円:337万5000円から382万5000円
500万円:375万円から425万円
600万円:450万円から510万円
650万円:487万5000円から552万5000円
700万円:525万円から595万円
750万円:562万円から637万5000円
800万円:600万円から680万円

今回は額面と手取りについてのお話でした。転職活動をするときにも手取りという言葉の意味をしっかりと理解しておくことが大事ですね。手取りという言葉の使い方を間違ってしまうと、転職後に収入が下がってしまうことも考えられます。

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